月光を浴びながら帰宅
桜並木の葉蔭に
見え隠れする月を追い掛けるように歩くと
身体の中に
神々しいほどの白い輝きが
沁み込んでくる
初めて外国で見た月はカラチだった
二十歳の時
初めて行ったヨーロッパは南回り線(知らないよね~)
香港・バンコク・カラチ・ベイルート
東京を出てから24時間で
ようやくアテネに到着という長旅
空港にしか降り立たなかったけれど
外国はじめの一歩
そこで月が見えた
あぁ、月はここでも同じに見えるんだ
と、当たり前のことを感動したっけ
あの頃みたいに感動している?
今の生き方に後悔はない?
月は優しく厳しく問いかけてくるようで
上ばかり見て歩いていても
桜並木の緑道では心配ご無用だけど
ときどき足もとがふらついて
後ろから見ると千鳥足に見えたかもね
そういえば
よく冷やした白ワインを飲んでいる気分だった
月で酔っぱらえるなんて
我ながら安上がりだけど
今の私も悪くないのよって
お祝いのワインを開けようかな