甘美な記憶

昨日プルースト現象なんて書いたせいか

久しぶりに「失われた時を求めて」を

読み返したくなった

 

20代の頃は

実家の本棚にあるぶ厚い表紙のそれを

”読破”した、という達成感のためだけに

チャレンジした読書だった

今、十分(すぎる)大人になって読み返すと

甘美で贅沢な、読書のための読書、と

幸福をかみしめることができる

 

紅茶に浸した一口のマドレーヌから

主人公の記憶が蘇る描写は

特定の香りが記憶を呼び覚ます

”プルースト現象”と呼ばれる

この場合、マドレーヌはスプーンで紅茶に浸され

口に運ばれているから

嗅覚だけではなく味覚も関係しているだろうけど

香りが瞬間的に、鮮やかに

記憶を呼び覚ますことを

私たちは知っている

 

すれ違った人の香水が

元カレとのデートを思い出させたり

食べ物のハーブの香りが

旅先の街角に立っているような錯覚を起こさせたり・・

 

私たちの五感のうち

90%を占めると言われるのは視覚

そのうち80%が色彩情報で

20%が形状と運動の情報だ

私がカラーセラピーにこだわり続けるのも

”色”が人間にとって最大限影響力を持つからだし

視覚情報に頼りきって日常を過ごしている

 

五感の残りは10%ということになる

それを聴覚、嗅覚、触覚、味覚で分け合っている

目から受け取る情報に比べて

あまりにもわずかな情報量ではあるけれど

実は嗅覚や味覚は

私たちが考えるよりもずっと

正確な記憶力を持っているのだ

姿を印象づけるよりも

香りや音で記憶されるというのも

いいかもしれない

時間を飛び越して

今の現実の中に記憶が再現される感じ

 

ちなみに「失われた時を求めて」は

文庫本で全13巻

原語で読めたらどんなに素敵だろうと思っても

プルースト という名前の響きから(聴覚?)

学生時代に第二外国語仏文の文法に泣いた記憶が

あまりにも鮮明に蘇ってきて無理みたい

でも大人の皆さまには

ぜひご一読をお勧めしたい本です

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