ジャン・コクトー

今日はイギリスからの入荷作業をクマッキーに任せて

私は自宅でデスクワーク

ベランダから乗り出して

東京にはめずらしい軽やかな雪を

ひとひら手で受け止めながら

雪の日は

静かで集中して内的作業に合う

なんて思う

 

ところが日が差し始めた昼ごろから

無性にマドレーヌの記憶が

忙しく頭と舌に浮かんでくる

昨日プルーストについて書いたりしたからだわね

なんて単純なんだ

パソコンを離れて

キッチンでマドレーヌを焼く

期待以上の外サク中フワの仕上がりで

娘のお客様たちにも好評だけど

仕事がすすまない!

 

最近お菓子をよく作るのは

娘たちの影響に違いない

材料も道具も彼女たちのものが揃っていて

触発されるらしい

10年前は

お菓子作りって異星人のすることだと思っていたのだから

不思議だ

そもそも娘からなにがしかの影響を受けるという感覚が

不思議だ

母たるもの、影響を与える存在だとばかり思っていた

 

最近は知的にも刺激を受けたりしている

たぶんテレビでその名前が出たのだろう

昨日娘の一人が突然

「ママ

”ジャン・コクトー”って

『私の耳は 貝の殻

海の響きを懐かしむ』 の人?」

そう、まさしくその人

その詩は 「耳(堀口大學訳)」よ

 

ずっと忘れていたけれど

私が母から最初に教わったコクトーの詩

娘は教科書で習ったのだろう

でもおそらく母からも聞かされて育ったに違いない

 

Mon oreille est un coquillage

Qui aime le bruit de la mer.

 

結局午後は

仕事モードにならず

コクトー詩集を読み返して終わってしまった

でも悪い感じはしない

プルーストに比べたら

ずっと短時間だしね


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